この記事の結論
金額から決めると、必ず迷います。先に決めるのは引き受ける範囲です。範囲が決まれば、金額はあとから出ます。
出し方は3つに分けると通りやすくなります。①投稿だけ ②企画から投稿まで ③撮影から全部。実際に決まった契約の数字を、この3つに当てはめて出します。
「いくらで受ければいいですか」
運用代行を始めるときに、いちばん多い質問です。相場を調べても、出てくるのは会社に依頼する側の金額ばかりで、自分が受けるときの参考になりません。
ここでは、エストレの支援先で実際に決まった契約の数字をもとに、3つの出し方を整理します。
金額より先に、範囲を決める
同じ「運用代行」でも、中身はまるで違います。
- 素材を受け取って、投稿するだけ
- 企画を考えて、作って、出すところまで
- 撮影に行って、素材から作って、出すところまで
この3つを同じ金額で受けたら、いちばん重いものが必ず赤字になります。金額の差は、腕の差ではなく範囲の差です。
3つのプランに分けて出す
| やること | 出し方 | 実際の数字 | |
|---|---|---|---|
| 簡易 | 素材は先方。投稿だけ | 本数 × 単価 | リール1本 10,000円 |
| 標準 | 企画・制作・投稿 | 月額 | 2ヶ月143,000円=月71,500円 |
| 全部 | 撮影から全部 | 撮影を別建て+本数 | 撮影・編集130,000円(前払い)+リール9本×1万円=220,000円 |
※記載の事例は個人の実績です。成果には個人差があります。
3つ並べて出すと、相手はどれを選ぶかを考えます。1つだけ出すと、受けるか断るかの二択になります。
1投稿の単価をどう置くか
上の例では、リール1本が10,000円です。ただしこれは撮影と編集を別の13万円で受けたうえでの、本数ぶんの制作費です。
同じ1万円でも、次のどれを含むかで重さがまったく違います。
- 台本を考えるか
- 素材を自分で撮るか、受け取るか
- 編集をどこまでやるか(字幕・音・切り替え)
- 出したあとの数字を見て報告するか
単価を言う前に、この4つを決めてください。「1本1万円で」とだけ言うと、相手は全部込みだと思います。
月額にするか、本数にするか
どちらが正しいということはありません。やることが毎月同じなら月額、増減するなら本数です。
上の例でも分かれています。企画から投稿までを任された案件は月額、撮影を含む案件は撮影を別建てにして本数で出しています。
迷ったら本数で出してください。月額は、やることが増えても金額が変わらないので、増えたぶんがそのまま自分の負担になります。
ちなみに、教える仕事(コンサル)の場合は月額が普通です。実例では月33,000円と月44,000円があり、同じ種類の仕事でも、回数と範囲で1万円以上の差がついています。
報酬と実費は、必ず分ける
撮影で遠方に行くなら、交通費と宿泊費がかかります。これを報酬に含めると、金額は同じでも手元に残る額が減ります。
上の22万円の例では、交通費とホテル代は店舗側の負担でした。見積もりには1行足すだけで済みます。
- 報酬:撮影・編集/本数ぶんの制作費
- 実費:交通費・宿泊費・広告費(別途、ご負担をお願いします)
あとから言うと言いにくくなります。最初の見積もりに書いてください。
決めた金額を、時間で割って確かめる
金額を出したら、受ける前にもう一度だけ確かめてください。その金額を、かかる時間で割ります。
やり方は単純です。
- ①1ヶ月でやることを全部書き出す(撮影◯時間・編集1本◯時間・打ち合わせ・報告)
- ②合計の時間を出す
- ③金額 ÷ 時間
この③が、自分が納得できる水準かどうかを見ます。納得できないなら、金額を上げるのではなく、まず範囲を削ってください。金額を上げると断られますが、範囲を削るのは相談できます。
見落としやすいのは、編集以外の時間です。打ち合わせ、連絡の往復、素材を待つ時間、修正。ここを数えないまま金額を出すと、実際に始まってから合わなくなります。
値上げは、次の契約で
始まったあとに金額を上げるのは難しいです。上げるなら、期間が終わって次を相談する時点が自然なタイミングになります。
そのために、最初から期間を区切っておきます。3ヶ月なら3ヶ月。終わりがあるからこそ、「次はこの範囲で、この金額で」と出し直せます。
区切らずに続けていると、上げる理由を説明する場面そのものが来ません。
よくある、もったいない進め方
相場を調べて、そこに合わせる
検索して出てくる相場は、会社に依頼するときの金額です。会社は人を何人も動かし、事務所もあります。個人が同じ数字に合わせる理由はありません。自分の範囲と時間から出してください。
「一式」で出す
一式いくらと出すと、相手は何が入っているか分かりません。分からないものには、金額を判断できません。数えられる形にしてください。
安く出して、あとから上げようとする
最初の金額は、その相手との基準になります。あとから上げるのは、新しく受けるより難しいです。安く受けるなら、本数や範囲を先に小さくしてください。
終わりを決めずに受ける
期間を決めないと、いつまで手がふさがるか分かりません。1ヶ月でも3ヶ月でも、終わりを決めてから受けてください。
よくある質問
Q: 最初の1件は、安くしたほうが決まりますか?
A: 金額を下げるより、範囲を小さくするほうが安全です。投稿だけの「簡易」から入れば、金額が小さくても基準は崩れません。無料で受けると、あとから金額の話を出しにくくなります。
Q: 月額と本数、どちらで出すほうが喜ばれますか?
A: 相手にとっては、数えられるほうが判断しやすいです。本数で出しておけば、予算が合わないときに本数を減らす相談ができます。月額だけだと、丸ごと断るか受けるかになります。
Q: 撮影に行く場合、交通費はこちら持ちですか?
A: 先方負担にしている例があります。報酬と実費を分けて書き、見積もりの時点で伝えてください。始まってからでは言い出しにくくなります。
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